所長に起きた出来事や思ったことをつづります
所長つれづれ
今日のできごと
今日の業務(2024/5/21(Tue))
午前に千葉市内の企業に訪問し特許出願の打ち合わせ。ソフトウェア関連発明。
午後はウェブにて打ち合わせ。商標出願について1件。
打ち合わせ後、弁理士会にて担当する委員会の打ち合わせ。弁理士会のDX化に関する検討。
その後委員会の懇親会。
明日は執行役員会のため、そのまま東京に泊まることにしました。
GI保護制度
GIとは「地理的表示(Geographical Indication)」のこと。アメリカの特殊部隊のことではありません。
GI保護制度は、GIを保護しようとする制度です。そのままですね。
で、具体的に、GIとは、「地理的名称」+「商品名」の組み合わせ表示をいいます。具体的には、「夕張」+「メロン」で「夕張メロン」のようなものをいいます。実際、夕張メロンはGI保護制度によっても保護されています。
GIは、農協等の生産者団体が登録基準を作成し、それが十分に満たされていると確認された場合に登録、保護されます。
GIが認められると、その登録した生産者団体の構成員以外の者がそのGIを使うことができなくなり、また、登録基準を満たしていない者がGIを使用することができなくなります。これは質を確保することを意味し、質の確保はブランド保護を図る上では非常に重要です。
そして、このGIによる不正表示については、国が監視や取り締まりを行ってくれるため、登録者自身が不正表示を行っている者に警告等を行う必要がなく、不正表示防止活動に対する負担が少ないといった利点もあります。
一方で、近年、日本の農産物の輸出が活発になってきており、外国でも日本の農産物のブランド化を図る必要が生じているところ、日本でGI登録を受けておけば、外国でも保護を受けることができるようになります。ただし現在は欧州とのEPA(経済連携協定)だけのようです。今後の拡大に期待ですね。この辺りは、権利者が希望する国に自ら手続を行わなければならない特許権等より負担が軽い気がします。
弁理士会も農林水産知財対応委員会があり、ここでGIの保護について積極的に検討がなされております。
なお、 「地理的名称」+「商品名」の組み合わせ表示、すなわちGIと同様の表示は、商標としてもとらえることが可能であり、これを保護する制度として、商標法では「地域団体商標」という制度を定めています。これらは表示を保護するという観点で重複している部分があるのですが、異なっている部分もあり、互いに排他的ではなく、うまく連携させることができると考えられています。
この話はまた別の時にでもします。
内的不可と外的付加
特許請求の範囲の補正で「内的不可」と「外的付加」という言葉があります。実務的には死語になっている可能性もありますが、私の中ではまだまだ現役のため一つ記事を。
特許請求の範囲、より具体的に請求項では、「発明特定事項」という概念が存在します。
発明特定事項とは「発明を特定するために必要な事項」を言います。そのままじゃないか、と言われると思いますが、そうですね。そのとおりです。
請求項は、発明特定事項を具体的に記載する必要があります。請求項の記載の方法は、人によって大きく異なりますので、なかなか一般的に記載できないですが下記のような構成が一般的です。
「Aと、Bと、Cと、を有する○○装置。」
上記の例で、「A」「B」「C」が発明特定事項と呼べますね。ただ、通常の請求項は、「A」「B」「C」が非常に長い単語になっているのでわかりにくいんです。また、人によっては、わかりやすくするために発明特定事項ごとに改行することもあります。
具体的には、例えば、椅子の特許であれば、
「座板と、前記座板を支持する脚と、前記座板に固定される背もたれ板と、を有する椅子。」のように表現されることがあり、この場合、(A)が座板、(B)が脚、(C)が背もたれ板、ということになります。

ここで、上記の請求項に拒絶理由が来て、下記のような補正を行った場合が、「外的付加」となります。
「座板と、前記座板を支持する脚と、前記座板に固定される背もたれ板と、前記座板に固定される肘掛けと、を有する椅子。」

つまり、「肘掛け」が新しく追加された発明特定事項であり、新しい(D)と言えますね。このように新しく発明特定事項を追加することを「外的付加」と呼びます。
一方で、下記のような補正をした場合はどうなるでしょうか。
「座板と、前記座板を支持する『四本の』脚と、前記座板に固定される背もたれ板と、前記座板に固定される肘掛けと、を有する椅子。」

これは、既に存在している「脚」という発明特定事項を減縮する補正と言えます。つまり、既にある発明特定事項を狭める補正を「内的付加」と呼びます。
最初の拒絶理由通知の際は、外的付加の補正も内的付加の補正も可能ですが、最後の拒絶理由通知の際は「内的付加」だけが許されることになります(特許法第17条の2第5項)。拒絶理由通知の種類によって補正の範囲が異なるので、この辺りの認識は極めて重要です。
ただ、最後の拒絶理由通知でも、上記の回避の方法は実務的なテクニックとしていくつかあります。この辺りは別の機会に。
田んぼ
夕刻に近くの田んぼの写真。日が長くなりましたね。

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今日の業務(2024/5/17(Fri))
午前中は特に打ち合わせは無し。ただしたまっている明細書の処理。
午後は担当する委員会に出席。その後その委員会の懇親会。

懇親会の後、さらに私の所属する弁理士の会派の幹事会。新人交流会や旅行会の計画等。
その後さらに懇親会。
そのまま東京に宿泊。
やっと楽しい週末だ