GI保護制度

 GIとは「地理的表示(Geographical Indication)」のこと。アメリカの特殊部隊のことではありません。

 GI保護制度は、GIを保護しようとする制度です。そのままですね。

 で、具体的に、GIとは、「地理的名称」+「商品名」の組み合わせ表示をいいます。具体的には、「夕張」+「メロン」で「夕張メロン」のようなものをいいます。実際、夕張メロンはGI保護制度によっても保護されています。

 GIは、農協等の生産者団体が登録基準を作成し、それが十分に満たされていると確認された場合に登録、保護されます。

 GIが認められると、その登録した生産者団体の構成員以外の者がそのGIを使うことができなくなり、また、登録基準を満たしていない者がGIを使用することができなくなります。これは質を確保することを意味し、質の確保はブランド保護を図る上では非常に重要です。

 そして、このGIによる不正表示については、国が監視や取り締まりを行ってくれるため、登録者自身が不正表示を行っている者に警告等を行う必要がなく、不正表示防止活動に対する負担が少ないといった利点もあります。

 

 一方で、近年、日本の農産物の輸出が活発になってきており、外国でも日本の農産物のブランド化を図る必要が生じているところ、日本でGI登録を受けておけば、外国でも保護を受けることができるようになります。ただし現在は欧州とのEPA(経済連携協定)だけのようです。今後の拡大に期待ですね。この辺りは、権利者が希望する国に自ら手続を行わなければならない特許権等より負担が軽い気がします。

 弁理士会も農林水産知財対応委員会があり、ここでGIの保護について積極的に検討がなされております。

 

 なお、 「地理的名称」+「商品名」の組み合わせ表示、すなわちGIと同様の表示は、商標としてもとらえることが可能であり、これを保護する制度として、商標法では「地域団体商標」という制度を定めています。これらは表示を保護するという観点で重複している部分があるのですが、異なっている部分もあり、互いに排他的ではなく、うまく連携させることができると考えられています。

 この話はまた別の時にでもします。

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